清少納言の『枕草子』、紫式部による『源物語』など古典文学の代表作が著された平安時代。それらの書物をひもとくと、主に貴族の女性たちが額の形を整えるために、余分な毛を抜いたり、足りないところを墨で書き足したりしていたことがわかります。平安時代の細くて薄い眉は当時の流行ですから、位の高い女性たちは日夜、毛抜きで脱毛に挑んでいたのかもしれません。
大衆文化が花開いた江戸時代になると、主に遊女たちの間でアンダーヘアの処理が流行しました。当時の風俗を描いた文書によると、陰毛を軽石の間に挟んで擦り切ったり、線香の火で焼いたりしていたようです。また、手や足には、「木の実の油」と「砕いた軽石の粉」を混ぜたものを刷り込んで、その摩擦によって脱毛したとされています。そして当時の主な化粧水であったヘチマ水と、意外なことにウグイスのフンで脱毛後の肌のお手入れをしていたようです。女性が当時からスキンケアをおこたらなかったことがうかがえます。
これらの風俗からわかることは、女性が毛深さを嫌っていたことです。女性の美意識は、どうやら古今東西共通していたようです。ちなみに、男性の脱毛は「俗世から離れる」「世俗の煩悩を捨て去る」という意味合いのある、仏教の剃髪以外には見当たりません。
